入院のピークは年3回

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 厚生労働省の病院報告という統計資料には、各月の新規入院患者数が載っています。毎年、2月の新規入院患者数が最少なのですが、これは、2月の日数が少ない(28日ないし29日)ためです。そこで各月の日数で割って、1日当たりの新規入院患者数に直すと、季節差が見えてきます。

 年によって大きなばらつきはありますが、大ざっぱな傾向として、真冬(1、2月)、真夏(7、8月)、そして秋(10、11月)の3シーズンに、入院患者が増える傾向にあります。

 2013年の数字で見ると、1月と2月は、1日当たり4万2000人の新規入院がありました。つまり、平均すると毎日それだけのひとが、病気やケガで病院に入院したのです。夏場の7月は4万4000人、8月と10月と11月が4万2000人でした。少なかったのは3月と12月(4万人)、次いで6月と9月(4万1000人)などです。

 残念ながら、入院の原因となった病気の統計が、必ずしも十分に提供されていないため、細かい分析はできません。

 しかし、冬に入院が多いのは、寒さが主な原因でしょう。夏場に増えるのは、単に暑さばかりとは限りません。夏休みを利用して入院するひとも少なくないはずです。また12月に少ないのは、年末は自宅で過ごしたいというひとが多いからだと思われます。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

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