「認知症」発症の真犯人説 脳を壊すタンパク質“タウ”って何?

公開日: 更新日:

 将来、子供たちに迷惑をかけたくない――。そんな思いから、食事や脳トレなどさまざまな認知症予防に励んでいる人もいるだろう。しかし、少し冷静になって病気の原因や食事の効果について考える必要があるかもしれない。これまで有力視されてきた仮説をもとに開発された薬剤がことごとく失敗に終わり、仮説の見直しが迫られているからだ。

「現在、(認知症の半数以上を占める)アルツハイマー型認知症の発症と進行の原因は、アミロイドβではなく、異常なタウタンパク質の脳内蓄積であるというのが、世界の流れになりつつあります」

 こう言うのは東京都医学総合研究所の認知症・高次脳機能研究分野のリーダー・長谷川成人氏だ。長谷川氏は脳内のタンパク質の変質による神経変性疾患の研究者。世界に先駆け、10年以上前から「アルツハイマー型認知症の真犯人=タウ」説を唱えてきた。

 ヒトが得た情報は脳内の1000億以上ある神経細胞のつながりによって伝達・記憶される。タウは、神経細胞がネットワークを形成し、情報を伝えることに必要な軸索(発信機)を支えるマイクロチューブル(微小管)を構成するタンパク質。タウが、なんらかの原因で異常な構造に変化すると、マイクロチューブルが壊れる可能性がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性