肥満より死亡率が上昇 高齢者の「低体重」はこんなに危険

公開日: 更新日:

 東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授は言う。

■栄養状態が悪く脳心血管疾患を起こしやすい

「低体重の人は、栄養状態が悪化しているケースが多いと考えられます。栄養状態が悪いと、タンパク質、ミネラル、ビタミンといった筋肉や組織に必要な栄養素も不足します。心臓は主に心筋という筋肉細胞でできている臓器です。低体重でそうした栄養素が不足すると、心臓や血管そのものの機能が低下してしまい、貧血も相まって心不全などを起こしやすくなるのです。また、栄養状態が悪化してカリウムやマグネシウムなどの電解質が不足すると、不整脈を起こす原因になります」

 食欲の低下などによって低体重になり、血清中にあるタンパク質の一種「アルブミン」が不足することも、脳心血管疾患のリスクをアップさせるという。

「アルブミンは、血管内外の水分のバランスを調整する役割があります。アルブミンが不足すると、水分が血管内から外に排出されてむくみが出るだけでなく、血管内脱水になって血液の成分が濃くなります。血液の流れが悪化して血栓もできやすくなるので、脳梗塞心筋梗塞のリスクをアップさせたり、出血しやすくなって脳卒中を引き起こす要因にもなります」(東丸教授)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?