【がん患者の心のケア】聖路加国際病院・リエゾンセンター(東京都中央区)

公開日: 更新日:

呼吸瞑想でネガティブ思考の連鎖を断ち切る

 同センターは、心のケアをする「心療内科」「精神科」「精神腫瘍科」からなる。

 中でも、がん患者を対象とする精神腫瘍科では、全国でも珍しい「マインドフルネスを取り入れた心理療法」を行っている。どういうものなのか。同センター長で精神腫瘍科の保坂隆部長(顔写真)が言う。

「1960年代、米国ではベトナム戦争が長引いて不安定な時代でした。それで仏教瞑想が輸入され、仏教の要素が取り除かれて“マインドフルネス瞑想”が開発されました。近年では、米企業のグーグルやアップルなどが社員のパフォーマンス向上の目的で取り入れていて、日本でもいま逆輸入されて話題になっています」

 つまり、マインドフルネスとは「瞑想」のこと。米国では、その後「マインドフルネスストレス低減法」や「マインドフルネス認知療法」というプログラムが開発され、医療やビジネスなどの現場で実践されているという。

 では、なぜがん患者の心のケアに有効なのか。がん患者の多くは、告知されたときから「ネガティブ思考」に陥り、常に「不安」「抑うつ」にさいなまれるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」