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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

末期がん患者は自ら絶食 「口から食べる」の本当の意味

公開日: 更新日:

 忘年会で食べたり、飲んだりされるシーズンです。今回は、食べることについてお話しします。毎日何げなく行っている動作でも、がん患者にとっては切実な問題です。

「自らの意思で飲食せずに死を早めようとする患者を診たことがある」

 今月発表された日本緩和医療学会の調査によると、そう答えた医師は約3割です。対象は、終末期の緩和医療に携わる医師ですから、一般にはもっと少ないかもしれません。しかし、末期がん患者の中では、自ら食べることをやめる人が少なくないのが現実です。

 死の不安や痛み、少しずつ身の回りのことができなくなる絶望感。いろいろな要因が重なって、飲食や点滴を拒むことがあります。

「痛みと闘うのが苦しい。眠れず、食事ができないことも本当につらい」

 そう語ったのは、2年前に大腸がんで命を落とした俳優・今井雅之さん(享年54)です。

 抗がん剤治療中の言葉でしたが、当時の激ヤセした表情を思い出すと、冒頭のようなデータが出るのも類推できるでしょう。がん患者にとって、食事は大切なのです。

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