肝臓がん<1>2度の入院と手術でがんとオサラバできると…
東京・丸の内にある医療関係の会社に勤めていた石川さんは、ビールやウイスキーの水割りなど毎晩のようにたしなんできた。日によっては泥酔し、目を覚ました場所が電車の車庫だった経験もある。
仕事は順調だったが40代の後半、年に1度義務化されていた会社の定期健診で、「C型肝炎」と診断された。しかし、これといった自覚症状がない。それでも、「C型肝炎になった人は、肝臓がんになる確率が高いんですよ」と言う医師の話を聞き、サラリーマン時代は、近所のかかりつけのクリニックで月1回の検診を受けてきた。
やがて60歳の定年を迎えて、C型肝炎を本格的に治そうと、禁酒を宣言。自宅から近い「日大板橋病院・肝臓内科」を訪ねた。
エコー検査、MRI検査などを受診したところ、担当医師から、「肝臓から腫瘍が見つかりましたが、悪性か良性かは五分と五分ですね。むしろ良性かも知れません」と診断された。
以来、定期的に精密検査を受診するようになり、2010年10月のMR検で、肝臓に新たな腫瘍が見つかった。確定診断は「肝臓がん」である。