がん細胞がヒトの免疫監視システムをすり抜ける仕組み

公開日: 更新日:

 ヒトにはがん免疫監視機構があるにもかかわらず、日本人の半分はがんになる。

 この仕組みが完全ではないからだけではない。がん細胞が自ら、監視システムをすり抜ける術を身に付けるからだ。

 国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

「がん細胞ががんと認識されるほど大きな塊になるのは、がん細胞の免疫逃避の結果です。例えば樹状細胞には、周囲の免疫細胞に“がん細胞がいるゾ”と通報する働きがあります。樹状細胞ががん細胞を貪食すると、がん細胞内のタンパク質をペプチドに分解し、樹状細胞の表面にあるヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる分子を介して抗原提示します。HLAは台座のようなもので、樹状細胞はそこにがん抗原を載せるのです。免疫細胞であるT細胞はこれを認識し活性化します。がん細胞自身もHLAに自身のがん抗原を載せているため、活性化したT細胞ががん細胞を認識・攻撃することになります。しかし、がん細胞の中には、このHLA分子の発現を低下・喪失させることで免疫から逃れるものがあるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?