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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

上と下の血圧差「脈圧」の数値で高血圧の種類がわかる

公開日: 更新日:

 上の血圧が年齢とともに高くなるのに対し、下の血圧は60~70歳代を過ぎると低くなることが国民健康・栄養調査でも示されています。この上の血圧と下の血圧の差を「脈圧」と呼びます。あまり聞きなれない言葉ですね。

 今回はその脈圧と年齢との関係です。年齢とともに上の血圧は高くなり、下の血圧は低くなります。当然その差である「脈圧」は高齢で大きくなります。

 実際の数字を見てみましょう。20歳代の男性では46.1㎜Hg、30歳代では43㎜Hg、40歳代では44.2㎜Hgと大きな変化がありませんが、50歳代で48.7㎜Hg、60歳代で54.5㎜Hg、70歳以上で60.2㎜Hgと上昇傾向になります。女性でも50歳代で47.4㎜Hg、60歳代では53.6㎜Hg、70歳以上で60.6㎜Hgです。男女とも50歳を超えるあたりから脈圧が増加するという同様な結果を示しています。これは血管の動脈硬化が50歳代から徐々に進んでいくことに一致しています。

 この高齢での脈圧の増大は、年齢によって高血圧のタイプが異なることを示しています。

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