著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

上130・下80を基準にすると…世の中の90%以上が高血圧に

公開日: 更新日:

 ここ数回で紹介している研究は、白衣高血圧も安心していられないという以上に、驚くべき現実を示しています。医療機関や健診会場で測る血圧より、普段の生活の中での血圧を測るほうが、脳卒中や死亡のリスクをよりよく反映しているのは明らかで、医療機関などで血圧を測るのに加え、24時間の血圧測定を追加するのが好ましいということになるでしょう。その時の血圧の基準を医療機関で140と90、普段の生活の中での血圧では上が130、下を80に基準を取ると、血圧が正常な人はほとんどいなくなるという事実です。

「血圧130は高めです」とするテレビコマーシャルが流れ続けています。そのうえ医学界で最も権威ある医学誌に、自宅での血圧130以上は、医療機関での140以上よりもむしろ危険だという研究結果が報告されています。そこに事実誤認はありません。その通りであることが、質の高い研究により明らかにされています。

 これからは上の血圧130、下の血圧80を基準として、24時間血圧計で血圧を測って判断することが、血圧診療において必須になっていくかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも