若者だけじゃない…「性嫌悪症」は中高年にも広がっている

公開日: 更新日:

「性嫌悪症」をご存じか? 身体的な問題がないのに性的な接触やムードを極端に嫌って避けようとする症状のことだ。かつては若い女性特有の症状といわれたが、いまは若い男性や既婚の男女にまで広がっている。日本性科学会会員で精神科医である「彩の国みなみのクリニック」(埼玉・南浦和)の塚田攻院長に聞いた。

 20代前半から結婚相談所に入会するなど、婚活に励んでいたA子さん。何人かの男性と交際したが、30歳を前にしたいまでも結婚話がまとまらない。心配した両親がA子さんに話を聞いたところ、中学時代に痴漢に遭い、それ以来、男性から触れられると想像することさえ嫌だという。

「異性に興味はあるけれども性行為に踏み切れない女性は昔からいます。その原因は親の潔癖なしつけやA子さんのような小さい頃の不快な経験などさまざま。それがこじれてトラウマとなる人もいます」

 実際、「キャット・ピープル」(1942年)、「反撥」(1964年)、「ブラック・スワン」(2010年)など性嫌悪症の女性を描いた映画が数多く発表され、その複雑な思いが表現されている。強引にキスをされた後に狂ったように歯磨きをする一方で、誰もが普通にしているセックスを自分はできないという劣等感。愛する男性に性的な我慢を強いる罪悪感。それゆえに浮気されるのではないかという不安感などにさいなまれる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  2. 2

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  5. 5

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  1. 6

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  2. 7

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  3. 8

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  4. 9

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  5. 10

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”