著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

肝臓がんは九州沖縄が中心 がん患者の分布と地域性の理由

公開日: 更新日:

 佐賀県の肝臓がんの患者数は1999年から19年連続でワーストでしたが、昨年の速報値で31・4となって、和歌山の32を下回り、20年ぶりに最下位を脱却したことが話題になりました。なぜ、20年も佐賀がワーストだったのかというと、がん患者の分布には地域性が関係しているのです。

 肝臓がんの7割は、C型肝炎ウイルスの感染で、その感染者が九州を中心に西日本に多く、福岡や長崎、大分なども高い割合になっています。

 しかし、佐賀県は肝炎ウイルスの検査費用を補助したり、医療機関などとの連携を強化したりして、ワーストを脱却。佐賀の取り組みは、感染型のがんは予防可能なことを示しています。

 白血病のひとつ、成人T細胞白血病も沖縄や九州に多い。原因となるHTLV―1ウイルスの感染者がこのエリアに集中していて、今年5月には鹿児島や沖縄、福岡、佐賀などでの感染者急増が報じられました。母乳や性交渉で感染するため、対策が急務でしょう。

■遺伝はせいぜい5%

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか