著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

肝臓がんは九州沖縄が中心 がん患者の分布と地域性の理由

公開日: 更新日:

 がんの年齢調整死亡率は、青森がワーストの88・9で、64・1でトップの滋賀より4割増です。青森の食塩摂取量は男性が8位、女性が4位。喫煙者は全国平均を上回っていて、運動習慣のある人の割合は全国平均を下回っています。滋賀の食塩摂取量は少ない方から数えて5位で、喫煙率が最も低いのが滋賀です。

 世間話で「ウチはがん家系だから」といいますが、がんの原因は6割ほどが生活習慣で、遺伝はせいぜい5%。生活習慣は家庭を超えて、その地域に広く根づいているから、がんの地域性に結びつくのです。

 胃がんはピロリ菌感染が原因の95%を占めていますが、塩分の多い食事は、ピロリ菌による胃炎を悪化させ、胃がんリスクを助長します。食塩の摂取量とも関係していて、トップ3は秋田、青森、鳥取の順。雪の多い地域で塩分摂取量が多いことが関係しているのが分かるでしょう。かつて、胃がんが多かった和歌山は梅干しが有名です。

 アルコールが発症原因のひとつである食道がんのトップの高知は、“酒豪県”として知られています。高知とともにワーストの常連である秋田や鳥取も、“酒豪県”といっていいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ