早期乳がんに画期的な新薬が登場 再発リスクを有意に下げる

公開日: 更新日:

 同様の薬はほかにもあるが、ベージニオの場合、CDK4は強力に、CDK6はほどほどに阻害するので、骨髄抑制がほかの薬に比べると弱い。つまり、白血球の減少が著明でない。よって、連日投与が可能だ。

■進行・再発の薬が適応拡大

 ベージニオは、もともと転移・再発乳がん(進行乳がん)に対し、ホルモン療法と併用して使われていた。今回、早期乳がんにも適応拡大された形だ。対象は前述の通り、ホルモン受容体陽性で、かつHER2陰性(HER2陽性より再発リスクが高い) の早期乳がん。さらに「腋窩リンパ節転移4個以上」「腋窩リンパ節転移1~3個+腫瘍サイズ5センチ以上または腫瘍グレード3」のいずれかを満たす患者に、術後、ホルモン療法と併用して2年間、内服投与される(日本の場合。米国とは異なる)。抗がん剤、放射線の治療が行われる場合は、その後になる。

「ホルモン療法単剤よりも副作用はあります。重めの副作用は少ないのですが、進行がんとは違い、早期がんの治療で完治が目的なので、重篤な副作用はできるだけゼロにしたい。そのために慎重なフォローアップと適切な副作用対応が必須です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも