著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

腱板断裂は無症状もあれば痛みが出たり消えたりすることも

公開日: 更新日:

 肩の痛みが長く続くと、さすがに自分が「五十肩」なのか「腱板断裂」なのか、多くの皆さんが心配されるようになります。では、どのような場合、腱板断裂の可能性が高いのでしょうか。

①腱板断裂例の男女比では、およそ男性6割、女性4割になります。

②左右差ではおよそ右肩が7割、左肩が3割になります。

③ケガが半数、残りは思い当たる原因がありません。

 ケガと無関係に男性の右肩に多いのは、肩を酷使する人に腱板断裂が生じている可能性が高いことが示唆されます。

 ある村で超音波検査を用い、腱板断裂の有無を調べる集団検診を行った研究があります。

 結果、50代で11%、60代で15%、70代で27%、80代では37%に腱板断裂が認められました。加齢とともに増加することから、腱板断裂は長年の肩の使い込みにくわえ、腱板の老化も伴い生じてくるものと考えられます。

 一方、この集団検診で見つかった腱板断裂全体のうち、痛みがある村民は35%で、残りの65%は偶然、断裂が発見されただけでした。つまり、半数以上は「痛くない腱板断裂」だったのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因