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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

肩腱板断裂があっても無症状…このまま放置しても大丈夫?

公開日: 更新日:

 みなさんは、2リットルの水入りペットボトルを持ち、脇をしめて外側に腕を回す動きをスムーズに行えますか? 水の量は半分でも構いません。以前より腕が動きにくければ「無症候性腱板断裂」の可能性があります。

 無症候性腱板断裂は、無症状である肩に腱板断裂が存在すること。一定の患者数がいることがわかっており、アメリカの調査では成人の10~30%。

 日本でも2010年と13年に群馬大と秋田大の医師が集団検診を受けた人を対象に行った調査結果を発表しています。それによると群馬で17%、秋田で14%。いずれも加齢とともに無症候性腱板断裂の割合が高くなると報告しています。

 無症状なら放置していてもいいのでは? そう思うかもしれませんが、答えはNOです。肩の腱板断裂は自然には治りません。断裂が拡大すれば筋力が低下し、腕の力が入らなくなります。この段階になると大掛かりな手術が必要となることが多々あります。

 腱板断裂は無症状、もしくは軽い症状のうちに発見し、対策を講じるべき。断裂の程度が小さいうちならリハビリや、体への負担の少ない手術で対応できます。冒頭の方法は、無症状の肩腱板断裂がないか、まずは自分でチェックできるものになります。なお、病院での確定診断は、超音波エコーやMRIで行います。

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