著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

着ている服で成績が向上する…そのために必要な条件とは?

公開日: 更新日:

 服装にこだわる人と、まったくこだわらない人がいます。「自分の好きな服を着るとモチベーションが上がる」。おそらく前者の多くが、こうした理由からファッションに関心を寄せていると思うのですが、ノースウエスタン大学のアダムとガリンスキーは、服装がどのような心理的影響をもたらすか、次のような実験(2012年)を行っています。

 まず、被験者を2つのグループに分け、Aグループには白衣を着用させ、もうひとつのBグループには普段着を着用してもらいました。その上で、「ストループテスト」と呼ばれるテストを行いました。

「ストループテスト」とは、“REDと書かれたホワイトの文字”のように、色の単語と実際に書かれている文字の色が異なるワードを被験者に見せ、被験者は文字の色を瞬時に読み上げるというものです(先の例でいえば“ホワイト”が正解)。

 その結果、白衣を着たAグループの方が良い成績を収め、驚くことにBグループよりもミスの数が約半分だったといいます。アダムとガリンスキーは、こうした効果を「Enclothed Cognition(エンクロースドコグニション)」と呼び、服装のイメージが私たちの考え方や感じ方に影響を与える可能性があると指摘しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし