著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「朝方」と「夜型」はどちらが長生き? フィンランドの疫学研究

公開日: 更新日:

 朝型人間と夜型人間という言い方をされることがあります。これはクロノタイプと言って、科学的な生活パターンの分類のひとつです。人間を含めた動物には、一日のうちでどの時間が一番活動的かという、特定のパターンがあります。動物はほぼすべて夜型、のようにその性質が決まっていることが多いのですが、人間の場合には、朝が得意な朝型の人もいれば、夜になると活動的で朝は苦手という夜型の人もいて、必ずしも一定していません。朝型人間と夜型人間はどちらが健康的なのでしょうか?

 夜型というとどうしても不健康なイメージがあり、実際に夜型人間では生活習慣病などの病気が多い、というデータもあります。ただ、朝型と夜型のどちらが長生きか、というような点については、あまり正確なことが分かっていません。

 今年の生活リズムについての専門誌に掲載された論文に、フィンランドにおける疫学研究のデータが公表されています。2万人以上の一般住民のクロノタイプを分類して、37年という長期の追跡調査を行ったところ、夜型人間では死亡リスクが朝型と比較して9%有意に増加していました。つまり、夜型は寿命が短い、という結果です。しかし、ここでたばことアルコールの影響を除外して解析すると、寿命の差はなくなってしまったのです。夜型人間が短命なのは、どうやら他の悪い生活習慣に問題があったようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    “マトリ捜査報道”米倉涼子の圧倒的「男運」のなさ…海外から戻らないダンサー彼氏や"前科既婚者"との過去

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く

  5. 5

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  1. 6

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 7

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  3. 8

    巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

  4. 9

    元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中

  5. 10

    地上波連ドラ3年ぶり竹内涼真に“吉沢亮の代役”の重圧…今もくすぶる5年前の恋愛スキャンダル