著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【総ビリルビン】ヘモグロビンの老廃物 基準値超えたら超音波検査を

公開日: 更新日:

 健診結果の中に、「総ビリルビン(T-BIL)」が入っているという人も少なくありません。しかしどんな数値か、知っている人は少数派。いわば健診の“謎項目”のひとつです。

 ビリルビンは、赤血球のヘモグロビン(酸素運搬を行うタンパク質)の老廃物です。赤血球は約4カ月で寿命が尽き、脾臓で破壊されます。その際、ヘモグロビン分子も分解されてビリルビンとなり、血液中に放出されます。その後、さらに肝臓で処理されて、胆汁として十二指腸に放出され、最後は、便と一緒に排泄されるのです。

 健診で測定するのは、血液中のビリルビン濃度で、基準値は0.4~1.5㎎/デシリットルです。「総」という字が付いていますが、ビリルビンには「直接」と「間接」の2種類があって、その合計という意味です。

 基準値を超えている場合は、次の3つのことが考えられます。

1:肝臓が悪い
2:胆道が悪い
3:先天的な体質

 ただし、どんな病気かは特定できません。かなり大ざっぱな検査項目と言っていいでしょう。しかし体質だとしたら、健康上の問題はないので、気にすることはありません。また肝臓はAST/ALTやγ-GTPの数値を見れば、状態が大体分かります。

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