著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【AST・ALT】100を超えると慢性肝炎や脂肪肝の可能性がある

公開日: 更新日:

 健診での肝機能検査の代表は「AST」「ALT」「γ-GTP」の3項目です。今回はASTとALTについて解説します。

 ASTは以前はGOT、ALTはGPTと呼ばれていましたが、国際的な名称変更が行われ、今のようになりました。しかし、変わったのは名称だけですから、以前の数字をそのまま参考にすることができます。

 この2つは肝細胞に多く含まれる酵素で、肝臓が障害を受けると、血中に大量に溶け出してきます。そこで逆に、血液中の濃度を測定すれば、肝臓の状態が推定できるというわけです。両者の違いは、肝臓に限局しているかどうかです。ALTは肝臓にしか存在しないため、もし血中濃度が上昇してきたら、ほぼ確実に肝臓に問題があることが分かります。一方、ASTは心筋や赤血球中にも存在するため、肝臓以外の病気でも上昇することがあります。

 日本人間ドック学会の基準値は、AST、ALTとも正常範囲が30IU(国際単位)以下で、51以上になると「異常」と判定されます。しかし両方とも100以下なら、医者はあまりうるさいことは言いません。大抵は経過観察や食事・飲酒指導などで済むはずです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較