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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「パワハラ」はずっと残り続ける恐怖を相手に植え付ける

公開日: 更新日:

 パワーハラスメント(以下、パワハラ)とは、他者が身体的、心理的、社会的な影響・ストレスを被ることです。自分はパワハラだと思っていなくても、受け取った側がストレスを感じるようであれば、ささいなことでもパワハラになりかねません。

 パワハラの言動として該当する行為は、侮辱や嘲笑はもちろん、適切でない方法で個人の行動や仕事に対して非難や批判を行うことも含まれます。また、仕事上の機会や情報を提供せずに、社会的な孤立を促す行動、さらには個人に対して過度な仕事量や不適切な条件を課し、仕事において圧力をかけることも相当します。

「その髪形、似合うね」といった、個人の性格や外見などに対してのコメントもパワハラと受け取られるケースがありますが、基本的に攻撃的、差別的ではない限り、パワハラにはなりません。そこまで規制するようになると、表現の自由を奪いかねない。過度に発言を気にすると、円滑なコミュニケーションができなくなる副次的な障害を生み出してしまいます。

 しかし、侮辱や嘲笑、圧力は別です。特に、会社の上司と部下に代表されるような日常的な関係性にある場合、パワハラはトラウマとなり、被害を受けた方は苦しみ続ける……。これを理解しなければいけません。

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