認知症の親が子供っぽい言動や行動をするのはなぜなのか

公開日: 更新日:

 これまで家族を引っ張り、頼りにしていた親の子供じみた姿に戸惑うでしょう。ですが、「どうしてそんなことするの」「恥ずかしいからやめて」など、叱ったり否定的な言葉掛けは禁物です。記憶力が低下しても叱られた際の嫌な感情は残るので、口を利かなくなったり家族に対して攻撃的になる恐れがあります。

 人形遊びに夢中になっているのであれば、「これまで家族のために頑張ってくれたから、子供返りをしても本人が楽しめているならそれでいい」と適度に割り切り、受け入れるのも大切です。

 ご飯を自分で食べようとしない人の場合には、「上手に食べられていたから、もう一度自分で食べてみよう」と優しく声掛けをし、なるべく自分でやるように促してください。ただし、認知症が進行すると箸を使うのが難しくなります。そのときは家族の介助が必要な時期です。

▽井関栄三(いせき・えいぞう) 1979年新潟大学医学部卒業後、同大学大学院進学。84年横浜市立大学医学部精神医学教室入局、2010年順天堂大学医学部精神医学教授を務めたのち、16年シニアメンタルクリニック日本橋人形町を開院し、院長を務める。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」