著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

大規模災害時は支援チームの医師が発行する「災害処方箋」によりその場でクスリが交付される

公開日: 更新日:

 災害派遣時に持参する医薬品はそれぞれの医療支援チームごとに異なるため、中には手持ちのクスリで対処できないケースもあります。そういった場合でも、他のチームから譲り受けたり、開業している薬局に事情を伝えて調剤してもらったりしてクスリを準備するので問題ありません。ただし、病院が診療していて、そこに行くことが可能な場合は災害処方箋の適用ではありません。あくまでも緊急的な対処が可能な場合に限るという点にはご注意ください。

 災害処方箋でクスリを交付する際には、継続して服用・使用しているクスリとの飲み合わせ(相互作用)や副作用歴、アレルギー歴を確認しなければいけません。こういったときにもお薬手帳が役立ちます。お薬手帳の重要性が改めて認識されたのは、私の記憶では東日本大震災のときだったと思います。私は東日本大震災でも災害派遣として医療支援に従事しました。その際、クスリは津波で流されてしまっていたのですが、多くの方がお薬手帳を持って避難してきていて、それをもとにクスリを交付できたことがとても印象的でした。

 スマートフォンの普及に伴い、電子お薬手帳が使われる機会も増えてきているかもしれません。ただ、大規模災害時には電源が喪失する事態も想定されるため、電子お薬手帳はその機能を十分に発揮できない可能性があります。避難するときに持ち出す荷物の中には、やはり紙媒体としてのお薬手帳も入れておいたほうがよいでしょう。

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