やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」の意外な副作用…多血症との関係

公開日: 更新日:

 ところが、回復直後の健康診断では期待に反して意外な病名を告げられ精密検査を受けるよう強く勧められたという。

「『多血症』の疑いがあると診断されたそうです」

 多血症とは血液中の赤血球の濃度が高くなる病気のこと。血液の粘性が高まることで血行の悪化を招き、脱力感、疲労感、頭痛、ふらつき、めまい、視界のゆがみなどの症状が現れる。赤ら顔、目や口の中の粘膜の充血などが見られることも多く、皮膚のかゆみのほか肝臓や脾臓が腫れることもある。

「多血症は進行すると血液が固まりやすくなるため、血管内に血栓ができて心筋梗塞脳梗塞、肺塞栓症などの発症リスクが高くなります。多血症のタイプによってはごくまれにですが、白血病に進行することもあります」

 なぜ、この男性は多血症の疑いを宣告されたのか? それは血液検査で赤血球の成分の数値が高かったからだ。

「血液の濃さを示す指標は『ヘモグロビン値(Hb)』と『ヘマトクリット(Ht)』があります。ヘモグロビンは赤血球の中にあるタンパク質の一種で、肺で酸素と結びつき全身に酸素を運ぶとともに不要になった二酸化炭素を肺に戻します。ヘモグロビン値は1デシリットル当たりの数値で成人男性は13.0~16.6グラム/デシリットル、成人女性は11.4~14.6グラム/デシリットルが正常とされます。ヘマトクリットは血液(へマト)100ミリリットル中に占める赤血球の割合の数値で、正常値は成人男性は40~50%、成人女性は35~45%です」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々