最新研究「痩せ」は危ない(3)24時間動かないだけで「脂肪筋」がたまる

公開日: 更新日:

 次に調べたのが、不活動でなぜ脂肪筋が蓄積するか。明らかになったのは、脂肪筋を作り出す酵素の活性が不活動と連動していること。遺伝子導入でその酵素が働かないようにすると、不活動でも脂肪筋が蓄積せず、インスリン抵抗性が発生しないことも確認できた。

 さらにヒトを対象に、24時間片脚をギプスで固定して動きづらくし、骨格筋の生検を行った。すると動物実験と同様に、脂肪筋を作り出す酵素が活性化し、脂肪筋が増加。動物実験と同様の結果だった。

 シドニー大学による調査「世界20カ国における平日の総座位時間」では、日本人の座位時間は世界最長の7時間という結果が出ている。

「座位時間が長い、つまり不活動でいると、短時間でも脂肪筋が蓄積し、インスリン抵抗性が増す。痩せている、太っているということではなく、不活動により糖尿病リスクが上昇することが、この研究でも示されました。ここに高脂肪食が加わると脂肪筋は一層増え、糖尿病リスクがより高くなると言えます」

「動くことが体にいい」とよく言われるが、むしろ「動かないことが体に非常に悪い」のだ。 (つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」