視力が悪くなる? 痩せる2型糖尿病薬の使用で気をつけたい目の障害

公開日: 更新日:

 新タイプの2型糖尿病治療薬が注目されている。食後など血糖値が高い時だけ作用するGLP-1受容体作動薬と、GIPの働きを加えたGIP/GLP-1受容体作動薬だ。血糖値を効果的に下げ、体重も減らせる。ところが、欧米ではまれに「薬を使い始めたら急に視力が低下した」との症例が報告されている。「自由が丘清澤眼科」(東京・目黒区)の清澤源弘院長にその原因と注意点を解説してもらった。

 今年1月、「JAMA Ophthalmology」は、GIP/GLP-1受容体作動薬使用後に視力低下をきたした9例を報告した論文を掲載。昨年7月にはハーバード公衆衛生大学院が、過体重の2型糖尿病患者1700例の分析で、視力低下の可能性を報告している。ほかにも同様な報告が聞こえてくる。

「現在はその可能性があるだけで、万一、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬に問題がないかを調べている段階です。それ以外の理由として考えられるのは、急激な血糖降下作用が、視覚障害の原因となる可能性です。糖尿病網膜症では、網膜の毛細血管が傷つき、血流が悪化します。急激な血糖降下でこれが増悪することがあり、特に短期間でHbA1cを大きく下げる場合はリスクが高まります。これは網膜の血流調節が急変に対応できないためと考えられています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方