著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

感覚器と心臓(3)「後発白内障」による視力低下は治療ですぐに改善できる

公開日: 更新日:

 後発白内障が生じると、視力低下、目のかすみ、物がぼやけて見える、光をまぶしく感じるなどの症状が現れます。私の場合、眼内レンズを入れてから0.7くらいあった視力が、0.1まで低下しました。手術を受けた後、だいたいこれくらいのタイミングで後発白内障が起こる可能性があるということはわかっていたので、症状が出てすぐに治療を受け、問題なく視力は改善しました。

 後発白内障の治療はレーザー治療が一般的です。濁ってしまった後嚢にレーザーを照射して穴を開け、眼内にある房水という液体部分に沈着物を散乱させて吸収を図ることで眼内に光が入るようになり、視機能を改善させます。治療自体は10分程度で終わり、点眼麻酔が切れれば再びきれいに見えるようになります。穴を開けた後嚢は細胞が増殖して濁ることもなくなるので、再発はほぼありません。

 後発白内障が起こっても、軽度で視機能に問題ない場合は特に治療をする必要はありませんが、視力低下などの症状が出ているようなら、早い段階で適切な処置が必要です。前述したように有効な治療法がしっかり確立されているので、症状があれば逡巡することなく治療を受けることをおすすめします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  4. 4

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 5

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  1. 6

    まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない

  2. 7

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  3. 8

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  4. 9

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  5. 10

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情