疲れ、風邪、口内炎…不調の原因は「亜鉛不足」かもしれない

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病気を治療中の人では3人に1人が該当

 もうひとつは、日本の全国的なレセプトデータを用いての分析だ。全国的な急性期病院で治療を受け、血中の亜鉛濃度を測定した患者1万3100人のうち、約3人に1人が亜鉛欠乏だった。また、誤嚥肺炎、褥瘡、サルコペニア(加齢に伴う筋肉量と筋力の低下)、慢性腎臓病の患者では半数以上が亜鉛欠乏で、加齢との関連も見られた。

「私たちが行った研究は、ある一時点での要因と結果の関連性を調べる横断研究であるため、『慢性腎臓病があるから亜鉛欠乏』といったように、因果関係を示すことができません。しかし、健常者に近い集団でも亜鉛欠乏の予備群が4~5割前後いて、病気がある人の集団では亜鉛欠乏が3分の1ほどということは、何らかの病気を発症すると潜在的亜鉛欠乏から亜鉛欠乏へと一気に傾く可能性があるということは言えるでしょう」

 亜鉛不足で生じる体調の不調の代表的なものが、「疲れやすい」「風邪などの感染症にかかりやすい・悪化しやすい」「食欲不振」「傷が治りにくい」「髪の毛が抜けやすい」「口内炎ができやすい」「皮膚炎を起こしやすい」「味がわかりにくい」「生殖機能の衰え」など。もしかして、と思ったら、まずは自分の血液中の亜鉛量がどうかを知ることだ。

「特に不調が続くようであれば、栄養に理解のある内科医のもとで、亜鉛が不足していないかを血液検査で調べることをお勧めします。亜鉛欠乏であれば、飲み薬などで亜鉛を補充する亜鉛補充療法がありますし、潜在的亜鉛欠乏であっても、症状がひどい場合は、亜鉛補充療法が検討されます」

 亜鉛は体内でつくることができない。日頃から亜鉛摂取を考えた食生活を心がけたい。牡蠣、たらこ、豚レバー、鶏レバー、卵黄、ナッツ類、乳製品が比較的亜鉛が豊富な食品だ。ただ、何か特定のものを突出して取るのではなく、バランス良く食べることが肝心だ。

「亜鉛不足の弊害に関心を持ってもらいたい一方で、自己判断での亜鉛の過剰摂取は大変危険なので絶対にやめていただきたい。『亜鉛不足が不調の原因』というと、自己判断で亜鉛を薬やサプリメントで過剰に取ろうとする人もいますが、亜鉛の過剰摂取は有害事象につながりかねません」

 今夜は牡蠣鍋で、亜鉛たっぷりな牡蠣をたくさん食べる──くらいなら問題ないものの、亜鉛の摂取は継続も大事。正しい知識で対策を。

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