疲れ、風邪、口内炎…不調の原因は「亜鉛不足」かもしれない

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「疲れやすい」「風邪をひきやすい」「口内炎ができやすい」──。何らかの不調が続く場合、「亜鉛不足」が原因の可能性がある。亜鉛に関する大規模観察研究を行った順天堂大学医学部総合診療科学講座特任教授の横川博英医師に話を聞いた。

 亜鉛はミネラルの一つで、体内のさまざまな酵素を正常に働かせる上で不可欠な栄養素だ。

「亜鉛を必要とする酵素は体内に300種類以上あります。また、タンパク質やDNAの合成、細胞の成長や分裂の促進、免疫機能、味覚、生殖機能など、亜鉛が担う役割は非常に多くあります。亜鉛は生きていく上で極めて重要な存在ですが、亜鉛を十分に摂取できているかを調べた大規模な研究はこれまでありませんでした」

 亜鉛の血液中の濃度の基準値は、1デシリットル当たり80~130マイクログラムで、60~80未満は「潜在性亜鉛欠乏(いわゆる亜鉛欠乏の予備群)」、60未満は「亜鉛欠乏」と評価される(「日本臨床栄養学会」の指針から)。順天堂大学では、人間ドックで亜鉛の血液中の濃度も測定している。そこで横川医師らは2016年9月から18年12月にかけて、人間ドックを受けた男女2056人の血中亜鉛濃度を分析した。

 すると、亜鉛欠乏の人は男性で0.4%、女性で0.6%と1%未満であったが、潜在性亜鉛欠乏となると男性で半数近く、女性で約4割を占めた。男性では、高齢になるほど、血中亜鉛濃度の低下が見られた。

「任意で人間ドックを受けている人が対象なので、もともと健康意識が高く、しかも体の不調が特にない“健常者に近い集団”です。そういった人たちですら、亜鉛欠乏の予備群である潜在性亜鉛欠乏がかなりの数いたことは、予想していませんでした」

 横川医師は続いて、2つの大規模観察研究を行った。ひとつは、新型コロナウイルス感染で順天堂医院に入院した成人患者467人の分析だ(20年4月~21年8月)。亜鉛欠乏(60未満)、潜在性亜鉛欠乏(60以上80未満)、正常(80以上)に分類したところ、コロナの重症度の高い群ほど亜鉛欠乏が多く、重症レベルが上がるにつれて、亜鉛の血中濃度は低かった。

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