「自由な時間」がありすぎると幸福度が低下する
ご飯を食べるときに、“ちょうどいいサイズ”があるように、自由時間にも“ちょうどいい量”があることを示す、米国の名門大学であるペンシルベニア大学ウォートン校のシャリフらの研究(2021年)があります。
シャリフらの研究チームは、アメリカ人の時間の使い方に関する大規模なデータを用いて、自分で自由に使える時間の量と、主観的な幸福度との関連性を調査・分析しています。実に、約3万5000人から集めた膨大なデータだったといいます。
分析の結果、自由時間の量と幸福度は、ある地点までは上昇しますが、そこを超えると下降に転じることが判明しました。まず、一日の中で自由時間が少ない、具体的には2時間未満の場合では、自分で使える自由な時間が少ないほどストレスや疲労感が増し、満足度が著しく下がることが示されたそうです。
そして、自由な時間が長くなるほど幸福度が増す傾向が確認されたものの、その幸福度は1日あたり2時間で頭打ちになり、そこから5時間までは横ばいになる傾向が見られたといいます。つまり、2~5時間の自由時間を持つ人が、最も幸福度が高いという結果が分かったのです。


















