酒のうまい秋、肴のうまい店の暖簾をくぐる

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<北千住 酒屋の酒場>

 秋は飲んべえの季節である。旬の肴を熱かんでキューッとやれば、日々の憂さもどこへやらだ。そんな期待を胸に北千住駅西口を出て、目の前の飲食店街をズンズン進む。日光街道(国道4号)を越えてさらに約200メートル、道の左側に看板が見えてきた。「酒屋の酒場」。うまい魚を出すと評判の店である。

 夕方5時をちょっと回ったところというのに、辺りは宵闇どころか、日が落ちてしまいそう。季節の移り変わりを感じつつ、暖簾をくぐれば、ご同輩たちでほぼ満員であった。やっぱり人恋しくなるのかなあ。カウンターに空いた止まり木を探して、一番奥に座る。目の前で店主の川岸道二さんが魚をさばいている、特等席じゃないか! 近くの足立市場から取り寄せた新鮮魚介類がキラキラしていて、喉が鳴る。

 生ビールの中ジョッキ530円で、はやる気持ちを抑え、頭上のメニューの札を見上げる。およそ60品目。トンカツと煮込み以外ほとんどが鮮魚をつかった料理で、100円から300円台というから驚く。隣の席に差し出された皿を見て、さらにビックリ。分厚いシメサバの切り身が10切れ以上という圧巻のボリュームなのだ。ホール係のお姉さんに小声でたずねたら、「530円です」とサラリ。「いいですねえ」と言うと、常連客から「そうだろう」と合いの手だ。本当、いいねえ。

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