内モンゴルの発酵乳がヒント 成長続く「カルピス」の歴史
発売から95年の超ロングセラー「カルピス」(カルピス㈱)の販売が好調だ。コンク(濃縮した)飲料の特徴を生かした戦略が奏功し、2010年から前年比アップが続いている。
「カルピス」のルーツは、創業者・三島海雲の感動体験にある。1908年に内モンゴルを訪れた際、三島氏は長旅で体調を崩していたが、現地で振る舞われた発酵乳(酸乳)を飲み元気になった。この体験にいたく感動し、「自然の力の活用」をぜひ日本でも具現化したいと考え、帰国後に乳酸菌を応用した商品開発に着手。試行錯誤の末、19年7月7日、日本初の乳酸菌飲料「カルピス」が誕生する。
戦前・戦中を経て、戦後にブレーク。甘酸っぱいおいしさ、かつ「薄めて飲む」お得感がウケて急成長したが、80年代後半に自動販売機が増加し、清涼飲料水の市場が拡大すると、「薄めて飲む」という特徴が不利に働き、販売数は激減した。