御嶽山と大違い 犠牲者ゼロだった有珠山噴火の「対応」

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 背景には、自治体と北大教授ら学者陣との連携がある。周辺自治体のひとつ壮瞥町によると、1910年の噴火の際には東京帝国大の大森房吉教授が壮瞥町に地震計を設置、観測を行った。以後、噴火時には学者が地元と協力してきた。77年の前回噴火直前には、北大有珠火山観測所を設置した歴史がある。

 00年の“奇跡”を導いたのは、NPO法人環境防災総合政策研究機構理事で、北大名誉教授の岡田弘氏だ。岡田氏は81年から21年間、北大有珠火山観測所に勤務。83年からは小学生を対象にした火山教室や、住民に向けた登山会を開くなどして、地域の“信頼”を得てきた。観光地ゆえ「ハザードマップなんてとんでもない」という声もあったが、ハザードマップを作り、防災体制を整える重要性を訴え続けてきたのである。改めて、岡田弘氏は「御嶽山は予知できた」とこう言う。

「御嶽山のマグマのシグナルは、典型的な水蒸気爆発の予兆と捉えることができます。06年3月に噴火した北海道の雌阿寒岳の噴火直前の群発地震と同じ性質の群発地震が、今回、御嶽山で起きていました。水蒸気爆発は予知が難しいともいわれますが、それは50年以上前から分かっていたことです。また御嶽山は、1979年以来、小噴火が2回起きています。気象台には、記録の集積があった。過去、水蒸気爆発も経験している。本来なら、もっと担当職員に火山の勉強をさせて対策をとらせるべきでした」

 岡田氏は「活火山を抱える自治体には『専門チーム』が必要」と言う。歴史を学び、自然と共存していることを再認識する時期に来ている。

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