熊本地震でなぜ損壊多発 「1981年耐震基準」の落とし穴

公開日: 更新日:

 震度7を2回も記録した熊本地震では、耐震補強したばかりの公立小中学校や役所が次々と損傷した。

 2013年度に外付けフレームで補強したばかりの熊本県益城町役場も、今月16日の「本震」で亀裂が入り、倒壊の恐れで立ち入り禁止となった。

 1981年に改正された建築基準法に基づく国の耐震基準は、「震度5強の地震でほとんど損傷しない」「震度6強~7の巨大地震でも倒壊や崩壊はしない」ことを目安としている。基準を満たしているはずの建物が続々と半壊、倒壊の被害に遭っているのはなぜなのか――。東京理科大の北村春幸教授(建築構造学)に説明してもらった。

■2度目は想定されず

「新耐震基準は1度目の地震に耐えることを前提としており、何度も大きな地震が続くことは想定していません。ところが、大地震は2度目が来るとボディーブローのように柱や梁にダメージを与え、被害が大きくなります。最初の地震で損傷し強度が落ちることによって、むち打つように大きく揺れたり、壊れやすくなってしまうのです」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然