採用激減で学生ソッポ メガバンクはもう花形ではないのか
昨年、人員削減を中心にした大規模なリストラ策を発表したメガバンクが、来春の新卒採用でも大幅な採用人員の削減を発表している。みずほフィナンシャルグループ(FG)は、今春の1365人から700人程度まで半減。三井住友銀行は約800人から2割減、三菱UFJ銀行は、約1000人から1割を削減する方針だ。
一方、採用される学生側もメガバンクに対する意識が大きく変わった。楽天が発表した2019年3月卒業者を対象にした「新卒就職人気企業ランキング」で、三菱UFJ銀行は昨年の9位から47位、三井住友銀行は21位から70位、みずほFGは16位から63位にまで下がっているのだ。
一昨年までの5年間、メガバンクが就職企業人気の1位を独占してきたことを考えると、学生が銀行業の将来性に、期待を持たなくなってきたことが分かる。
岡山商科大学の長田貴仁教授が言う。
「AIの進化で将来仕事がなくなるのは数字絡みの職業で、その筆頭が金融機関です。金融関係は数字で勝負し、それを商売のタネにしてきました。ところがいまや審査、融資担当の行員までリストラで戦々恐々です。ペーパーレス化が進み、決裁の判断はAIがやる時代。エリート大学卒の高い給与の行員は必要がなくなっているんです」