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加来耕三
著者のコラム一覧
加来耕三歴史家・作家

昭和33年、大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科を卒業後、同大学文学部研究員をへて、現在は大学・企業等の講師をつとめながら著作活動を行っている。テレビ・ラジオ等の番組監修・出演などの依頼多数。著書に『加来耕三の戦国武将ここ一番の決断』(滋慶出版/つちや書店)『卑弥呼のサラダ 水戸黄門のラーメン』(ポプラ社)ほか多数。

奇跡の旧領復帰を果たした 無敗の武将・立花宗茂の離れ業

 立花宗茂――。この名前を聞いて「誰?」と首をひねる人もいるかもしれません。宗茂は若き日、主に九州北部で活躍した戦国の武将。私は彼を、乱世の奇跡として称賛しています。

 宗茂のすごいのは関ヶ原の戦いで領地を没収されながら、それを取り戻したこと。これほどの離れ業をやった戦国武将は、ほかにいません。

 宗茂は永禄10(1567)年、豊後(現・大分県の大半)の大名・大友宗麟(義鎮)の重臣・高橋紹運(鎮種)の子として生まれました(生年は異説あり)。天正9(1581)年、同じ大友家の重臣・戸次道雪(鑑連)に切望され、その娘・ゴン千代を娶って養子に。道雪は無敗の名将で、主君宗麟から大友の支流「立花」姓を賜りました。一方、実父の紹運は心理分析に優れた名将。宗茂は2人の薫陶を受けて育ちます。

 宗茂は10代半ばから養父について筑後(現・福岡県南西部)を転戦。将来を嘱望されましたが、皮肉にも主家の大友氏は天正6年、耳川の戦いで、宿敵の島津勢に敗れ、威望が大きく失墜。それでも宗茂は7年間、大友家のために働き、実戦の中で技量を磨きました。

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