【厚揚げの麻婆豆腐】揚げにしみ込んだピリ辛がたまらない
「相撲で言う、たたき上げです」
竪谷さんは、中学卒業後すぐに、父の勧めで料理の世界へ飛び込んだ。最初は西新井大師の門前にある割烹料理屋。その後、銀座の日本料理屋で数年修業をして、創作居酒屋へ。そして料理人として滞在した南極から帰ってきた3年前、西荻窪に「じんから」を出店した。
店のメニューには極限で体得した工夫と知恵が生かされている。
「ポイントは厚揚げ豆腐を使うこと。豆腐と違って水が出てこないので、味の調整がしやすいのです。最後に、山椒粉をパラパラとかけると、本場の中華料理風の麻婆豆腐に化けます」
厚揚げの部分にピリ辛の味がしみ込み、ひき肉と絡みあって、ビールがグイグイ進む。紹興酒でチビチビいくのも悪くない。多めに作って、ご飯の上にのせると、締めの麻婆丼の完成だ。