牧野伊三夫
著者のコラム一覧
牧野伊三夫画家

1964年生まれ。画家。美術同人誌「四月と十月」同人。著書に「かぼちゃを塩で煮る」(幻冬舎)、「僕は、太陽をのむ」(港の人)ほか。北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業広報誌「飛騨」編集委員。

自分の煙草を常連客に配り始めた男としぶしぶ「煙草交換」

公開日: 更新日:

 家の近所に大将が1人でやっている小さなもつ焼き屋がある。そこから少し歩いたところの銭湯まで下駄をひっかけてひと風呂浴び、その店で小一時間飲んで帰るというのが、日々のささやかな楽しみである。焼酎2杯ともつ焼き4本と煮込み半丁。別々にもらった生の焼酎と炭酸を、コップに自分の好ましい濃さになるように注ぎ、煮込みをつつきながら串が焼きあがるのを待つ時間は実に楽しい。あまりにもうれしくて、店にあるオンボロのテレビで、どれほどつまらぬ番組をやっていようとも、心がにこにこしているから平気である。男というのはどうしてこれほど単純に出来ているのだろうか。先日も行くと満席。お客は全員男。

「海辺のホテルで、い~い女と。うひひ」

「おめぇ、それじゃ、サザンじゃねえか」

 仲良しの常連客たちが肩を寄せてじゃれ合って飲んでいたが、僕の隣にいた男が立ち上がって、「これ、まずいんだけど吸ってみませんか」と、自分が吸っていた煙草を常連客たちに配りはじめた。ずいぶん、いい気分のようである。席に戻ると僕にも1本差し出した。新商品らしいが、甘い香草の匂いがして、残念ながらもつ焼きにも焼酎にも合わないと思った。

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