なぜQRコードの特許を公開したのか? 開発した企業を直撃
「PayPay」や「LINE Pay」などスマホのQRコード決済が急速に普及している。QRコードを発明したのは、デンソーウェーブという日本の企業。特許料でさぞかし儲かっているだろう。直撃した。
「特許は保有していますが、権利行使していないので、特許料では儲かっていません」というのは広報担当者。なんと、1994年にQRコードを発表して以来、仕様をオープンにして、誰でも自由に使えるようにしている。その狙いは?
「当時私たちはバーコードの読み取り機(スキャナー)を開発しており、QRコード自体ではなくスキャナーで利益を出そうと考えました。そのためには、技術をオープンソース化して、QRコードをより広く普及させる必要があったのです」
有料化すると、競合の2次元コードが乱立し、利用者も混乱する恐れがあったが、無料化したことで安心して導入することができた。当初は主に工場での製品管理に用いられた。特に、箱の面積が小さいコンタクトレンズや文房具に重宝したという。
一般に広まったのは2002年ごろ。QRコードの読み取り機能を搭載した携帯電話が登場したのがキッカケだ。読み取るだけでサイトにアクセスできたり、クーポンが取得できたりする便利さから、瞬く間に広まっていった。