ジャパンモビリティショーで「LDK+」披露も…シャープEV事業で見えた半歩先の不安
シャープの現在のコーポレートスローガンは「ひとの願いの、半歩先。」。「オリジナル」を貫いてきたシャープらしいフレーズだ。
商品コンセプトに市場ニーズを織り込み、商品化するとき、どの程度「進化」させるべきか。人によって意見はさまざまだろう。そのままだと他社とかぶる可能性があるし、かといって一歩先に行き過ぎると、多くのユーザーはピンとこない。方向性が正しいかどうか判断できなくなるからだ。そこで重要になるのが、多くのユーザーが理解できる「半歩先」という距離感だ。
かつてのシャープは、他社がまだ手を出していないデバイスを開発し、そこから商品を発想することが得意だった。代表例が「液晶ビューカム」と「液晶テレビ」である。ビューカムは、今では当たり前となった「液晶画面を見ながら撮影する」ムービーカメラの先駆けだった。
液晶パネルの需要を拡大したいというシャープの思惑と、「のぞき込みながら撮るのはいや」という女性ユーザーの声が合致して誕生した製品でもある。結果、よく売れ、その後のムービーカメラ市場の仕様を変えるほどのヒットとなった。


















