三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2017年、旭日小綬章受章。

映画「記者たち」が教えるアメリカ民主主義の底力

公開日: 更新日:

 先日、日比谷の映画館で「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」を見た。イラク戦争に踏み切ったブッシュ政権のウソを暴いた4人の記者の実話を映画化したものだ。

 当時の米国は「サダム・フセインは大量破壊兵器を保有している」と世界中に訴えた。これに米国の大手メディアが反応し、イラク戦争に突き進む権力の暴走を後押し。

 政府と報道を信じた米国民は、“ならずもの国家”の成敗に拍手を送っていた。

 ところが、いざフタを開けてみると、イラクは大量破壊兵器を持っていなかったし、その証拠とされる情報は捏造されたものだった。政府がでっち上げた証拠によって、米軍は2010年までに4000人以上の死者を出したわけだ。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、戦争の翌年(2004年)に「タイムズとイラク」というタイトルの記事を掲載。イラク侵攻前の報道は間違ったもので、「あってはならないものがいくつもあった」と釈明したが、この作品のモデルとなった中堅通信社だけは最初から、戦争ありきのブッシュ政権を批判する記事を配信。裏切り者呼ばわりをされ、脅迫まで受けながらも、綿密な取材によって大量破壊兵器の保持が間違っていることを突き止めたんだ。四面楚歌の状況でも粘り強く真実に迫った記者たちの物語には、激しく心を揺さぶられたよ。

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