下重暁子さん<3>台風の3カ月後、家畜の死骸の異臭が漂い…

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 NHKに入局して1年目の1959年9月26日、5098人の犠牲者を出した伊勢湾台風が発生した。配属先の名古屋放送局にいた下重さんは、取材者と被害者の立場を経験することになる。

「当時、天気予報では〈夕方に台風が来る〉という程度で、あれだけの甚大な被害になるとは思ってもいませんでした。風が次第に“キーキー”といった女性の悲鳴のような音になっていき、男性スタッフから『女は寮に帰りなさい』と指示されたので、私と野際陽子さんは帰ることに。女性保護のつもりだったのでしょうが、男性アナの後方支援でもいいから携わりたかったし、腹が立ちましたね」

 寮の食堂の電気が消え、3階の自室に戻ると、ガラス窓が弓なりに反っていた。身の危険を感じたという。

「怖くなって部屋にいられなくて、野際さんと一緒に食堂の隣の部屋に避難しました。ろうそくをつけて、五目並べをしながらラジオを聴いていたのです。すると、『◯◯さんの住宅の瓦が飛んだ』などの情報は伝えられましたが、海抜ゼロメートル地帯や名古屋港に高潮が押し寄せていたこと、川が氾濫する危険性などは報道されなかった。一番危険な場所には報道陣も近づけませんから、詳細な現場の様子を伝えるのは難しかったのでしょうね。これは今も同じです」

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