大海原のように赤茶けた大地が広がるモニュメントバレー
旅が面白いのは、そこにしかない景色や人、文化に触れられるから。ただし、人生は短く、訪れることができる場所は限られる。仕事や趣味で海外を飛び回る人たちは、どこで、どんな世界を見ているのか――。一度は行きたいと感じる「絶景」を届けよう。
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会社員を辞め、アメリカ大陸から始まった自転車ひとり旅。まさか7年半の旅になるとは想像もしなかった。旅をはじめて、間もなく目にしたのが、ユタ州とアリゾナ州の境に位置するモニュメントバレー。先住民族ナバホの聖地だ。
ここは目に見えない何かがいる。パワースポットなど神秘主義的な思想が苦手な僕が、そう認めざるを得ない絶景でした。
長い上り坂を展望台に向けてペダルを走らせると突然、視界がひらけて風が力強く吹き抜けました。目の前には、大海原のように赤茶けた大地が広がり、そびえ立つビュートといわれる3つの岩が、太陽に照らされ赤い炎のように発光していました。