王位戦第4局は双方入玉で「王将」でなく「点数」取り合い
江戸時代の川柳に「入王になると見物碁にたかり」という句がある。現代で同じ語意の「入玉」は、玉が敵陣に入り込むこと。玉の周囲を「と金」などの成り駒で固めると、とうてい詰まない。
冒頭の川柳は、将棋を観戦していた人が、入玉で勝負がつまらなくなったので、隣の囲碁を見物するという意味である。
双方の玉が入玉した場合、現代のプロ公式戦の規定では、双方が所定の条件を満たしていれば、「持将棋」として無勝負になる。双方の玉が敵陣の三段目以内に入り込み、双方の盤上の駒が取られる可能性がなくなったところで、所有する盤上の駒と持ち駒を合わせて点数化する。大駒(飛・角)は各5点、小駒(金・銀・桂・香・歩)は各1点で、玉は除外する。
双方の点数がともに24点以上なら、持将棋が成立して無勝負。一方が24点未満なら負けになる。