貯蓄額の「平均」を知りたがる人はいつまでも貯蓄できない
老後2000万円問題をきっかけに貯蓄に関する記事も増えたが、お金を貯めようと考えた時、多くの人が“貯める目安”を知りたがる。「自分の年齢では、どのくらい貯蓄があるのが平均なのだろうか」と。ところが実際に「40代の貯蓄平均額は約1000万円」などと聞くと、「そんなには貯められない、高給取りじゃないんだから」とムッとし、貯蓄欲までしぼんでしまう。
平均値を知ることは意味がない。人によって稼いでいる額も違えば、毎月かかる支出の額も違う。モデルケースはあったとしても、あなたの家計が、それにぴったり当てはまることはあり得ない。平均値を知りたがることはナンセンス、いや、場合によっては逆効果にもなると言っていい。
貯めたいなら、平均値を知る前に我が家の現実を直視することが最も大事だ。貯められない人には自分が使っている金額を直視したくない傾向がある。自分がいくら使っていて、それが収入に対して赤字なのか黒字なのか。それを知らないまま「自分の年齢の平均貯蓄額」を目指しても、そこに至る道は見えてこない。