リーマン・ショックから11年…今のバブルは大丈夫なのか
11年前の9月15日に起きたリーマン・ショックは美術市場にも大きな影響を与えた。その数日後に行われたニューヨークのオークション会場はガラガラだったそうだ。
実はリーマン・ショックは、日本の美術業界にとって、平成バブル崩壊に比べれば震度4くらいの決して大きい打撃ではなかった。なぜなら1年前から草間彌生やリー・ウーファンら現代美術の相場が数倍に膨れていたし、新手のオークション会社や投資ファンドなどニューカマーが美術業界へ参入してきて、活況に沸いていた。いわば、ミニバブル状態。リーマン・ショックはそのあとの出来事だったから、もちろん2、3割は下落するなど少なからず影響はあったが、ただそれまでに異常に値を上げていただけに、致命的な損失は少なかったというわけだ。
それでもバブル崩壊以後、逆風にさらされていた日本の美術業界にとっては、神風のように現れた現代美術バブルが瞬く間に消えてしまったことに動揺した。しかし、思わぬ救世主が現れた。中国マネーである。