長期停電で再注目 警視庁も導入する「空気電池」て何だ?
台風15号の影響による千葉県の大停電は2週間以上も続いている。避難生活を乗り切るには電気がいかに重要かが分かったが、昨年10月に東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展2018」で注目された、空気さえあれば発電できる「空気電池」が改めて見直されている。
空気亜鉛電池「エイターナス」(ダブルエーHD=新宿区)だ。空気中の酸素(プラス極)と亜鉛(マイナス極)との化学反応によって電気を起こす電池。太陽光も水も不要で、ガソリン発電機のように一酸化炭素中毒の心配もない。
「スマートフォンなら最大50台のフル充電が可能です。保存袋を開封しただけで発電する仕組みです」(同社広報担当者)
袋を開いて3分待てば発電し、インバーターを通じて100ボルト家電の電源が供給可能。ノートパソコンなら15時間、LED照明(4ワット時)なら128時間(1日8時間使用で16日分)も点灯できる。災害用、非常用として警視庁のほか、ANA、JAL、NTTドコモなどの企業が導入済みだ。
メーカー希望小売価格は15万円前後(150ワット時・USBタイプ)と高額だが、マンションのような集合住宅、町内会で導入を検討する価値はありそうだ。