山本一力
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山本一力作家

1948年、高知県生まれ。東京都立世田谷工業高校電子科卒業後、広告制作会社勤務等を経て97年「蒼龍」でオール読物新人賞を受賞。2002年「あかね空」で直木賞を受賞。「損料屋喜八郎始末控え」や「ジョン・マン」などシリーズ作品の他「欅しぐれ」「紅けむり」「千両かんばん」など著書多数。

【お題】夫が明るい色や柄の服を好んで着たら悪いのか?

公開日: 更新日:

 昨年還暦を迎え、息子に赤いネルシャツをプレゼントされた。それまでスーツは紺やグレーばかりで、ハデかなと思ったが、恥ずかしながらも袖を通して、なじみの飲み屋に出掛けた。すると、「似合ってる」と思いのほか評判がよく、うれしかった。

 それからというもの明るい色や柄の服を選ぶように。自分でも気持ちが若返った気がするし、会社での受けもいい。ところが、妻は「なにを若ぶって」とどういうわけか機嫌が悪い。夫が明るい服を着て悪いのか?

 ◇  ◇  ◇

 色に対する社会の評価・常識は、1950年代までと以降とでは、根底から変化している。たとえば「赤色」。わたしの小学生時代、男児が赤いセーターでも着ようものなら。「おんしゃあ、おんなになっちゅうがか!」と、仲間に攻撃された。「おまえ、おんなか!」の、土佐弁だ。

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