「串タロー」など展開 「スターツ」の柴田育男社長の巻<3>
RIZE MIZE(東京都・西新宿)
ピザは、食事にも、つまみにも、おやつにもなる万能メニュー。ビールとの相性抜群ですから、大勢で食事を楽しむにはちょうどいい。会社の仲間を連れてワイワイやるときにお邪魔するのが、この店です。
何がいいって、ビールはクラフトビールであること。たとえば、「ちょんどいい けやぐ イギリスポーター」は、モルトの深い味わいとキャラメルのような香りが“ちょんどいい”黒ビールです。「横浜ビール」はペールエールならではのホップの香りと苦味が爽快でいい。
そのほか、小麦が軽いヴァイツェンや、ゆずIPAなどの7種類が各850円。それぞれの好みを探しながら、じっくり楽しめます。
シーザーサラダ(980円)は、ブロックから切り出されたベーコンが大きくて、たっぷりのチーズと相まって、半熟卵が絡まると、濃厚な味わいに。
アヒージョというと、エビやキノコなどの食材が定番ですが、ラム肉のミートボール(800円)という変わり種も。オリーブオイルには、唐辛子が効いていて、ラムの香りを引き立てます。
グツグツのオイルの中でもフライにならないのは、ミートボールを投入してからテーブルに提供するまでのタイミングを逆算しているのでしょう。かみしめてじゅわっとあふれ出す肉汁が、何よりの証拠。オイルにバゲットを浸して食べてもおいしい。
メニューを見渡すと定番ばかりですが、大切りのベーコンやラムアヒージョなど、ひとひねりしたアイデアが光る。そこにプチサプライズがあって、お客さんが楽しめる。どれもボリュームがあるので、4人で食べても、ほとんどは1人前で十分。だからコスパもいいから受けるのでしょう。
ハーフ&ハーフのピザは安い方の1枚分+300円
アイデアのよさは、カルパッチョにも表れていました。この日は今が旬のブリで、なんと果物のキンカンと合わせていただきます。私のようなオジサンになると、ブリのおいしさは認めても、濃厚な脂で1切れか2切れで満足します。ブリの脂の強さはもろ刃の剣ですが、サッパリとした果汁がそれを調和。オジサンもサラッと食べられてしまいます(値段は失念)。
鶏モモのコンフィ(800円)に合わせたのは、ハニーマスタード。パリッとした皮目に、マスタードの酸味と辛味がちょうどよく、これまたビールに合うのです。
さてさて、目当てのピザはマルゲリータの1080円~。ピザチェーンでは、2つのメニューを半分ずつ注文するハーフ&ハーフが定着していますが、ピザ店ではあまり見かけません。でも、ここならハーフ&ハーフもOKです。料金は、「安い方の1枚分+300円」ですから良心的。
この日は「どうしてもチーズと蜂蜜で食べたい」という連れのたっての希望でクアトロフォルマッジ(1680円)を単品でオーダー。4種類のチーズは濃厚でも、食感は軽い。スルッと胃に落ちていきます。
新宿西口から小滝橋通りを大久保方面に10分ほど歩くので、ザワザワしたエリアではなく、落ち着いて食事できるのもいいですね。
(取材協力・キイストン)
■RIZE MIZE
東京都新宿区西新宿7―18―10
℡03・6874・0358
▽スターツ新宿に「串タロー」を6店舗展開するほか、もつ鍋「金太郎」2店なども運営する。
▽しばた・いくお 中央大学を卒業後はセブン―イレブンに入社するも3年で退職。友人の串焼き店で修業し、1985年に目白に「串タロー」をオープン。キャリア35年で1店の退店もない。「契約の問題で目白の店は閉めましたが、退店ではない」