「虎峰」など運営 「GYRO」社長の花光雅丸さんの巻<3>
渋谷東急本店前のひもの屋(東京・渋谷)
幼いころは、夕飯のおかずがアジの干物だったりすると、「唐揚げがよかったのにぃ」なんてゴネたりした人は少なくないでしょう。でも、大人になると、干物とみそ汁とご飯という王道の和定食がしみじみおいしい。そんな旅館の朝食は最高で、干物で一杯飲るのもいいですよね。
干物は、日本に根づいた食文化ですが、釣り好きはともかく自宅で作ることはあまりない。多くの人にとっては、魚屋やスーパーなどで買って食べるものでしょう。
もちろん、買って食べる干物もおいしいのですが、「自宅で作らないものは、外でおいしいものを食べよう」というのが僕の考え方です。
その点、ひもの屋さんはチェーン店ながら、おいしい干物がいただけます。伴助の干物があるのが、力を入れている証拠。伴助とは、福島県の小名浜にある干物の老舗です。そんな名店のサバの開きは、1本と半身があって、半身980円。
半身を注文すると、皮目はいい色に焦げていますが、箸をいれると、パリッ。小気味いい音とともに身がほぐれます。口に運ぶと、ふわっとした食感で、サバのウマ味が広がります。ビール(中ジョッキは590円)をはじめ、酒の種類を選ばず、いいあんばい。