戸籍をたどり家系図を作ってはみたものの…何か物足りない
3月29日、新型コロナウイルス感染が原因で亡くなった志村けんさん。NHKが翌日に再放送したファミリーヒストリーが大きな話題になった。
同番組が大好きな千葉県に住む川村静雄さん(仮名=44)は、母方の家系図が家にあったことを思い出した。番組のようなドラマを期待して開いてみたものの、名前と生没年月日が書いてあるだけ。関心の持ちようがなく、大事な家系図をそっと閉じたという。日本では、戸籍制度という、ルーツ探しに便利な制度があり、誰でも簡単に幕末までの先祖の名前は見つけることができる。しかし戸籍制度はご先祖調査のために作られたものではなく、国民が住んでいる場所や家族関係を把握するための国民管理の方法のひとつなので、ご先祖探しに親切に作られているわけではない。
戸籍制度からわかることは①ご先祖の名前②ご先祖の生没年月日③ご先祖の家族関係④ご先祖の本籍地(ルーツの場所)の4つだ。もちろんこの情報からでも、幕末までの家系図は把握できるので、これで十分という人もいるだろう。
一方で、川村さんのように、自分のルーツについて、戸籍以上にもっと調べてみたい! と思う人も多いはず。「先祖のゆかりの場所がどんな場所だったのか?」「先祖は一体どんな暮らしをしていたのか?」「先祖はどんな職業だったのか?」――。もし、こんなことがわかったら、家系図に書き加えていきたい。
これらの情報は、戸籍から読み取ることはできない。しかし、別の方法がある。戸籍以外の文献を調査することで、ある程度は推測ができ、状況次第でより深く知ることが可能なのだ。
■おすすめは都立中央図書館
もちろん、文献調査より前にやっておくべきことがある。両親や長兄、叔父叔母に話を聞いてみることだ。家のどこかに手がかりとなる資料がないかの確認である。
まずは先祖からの言い伝えが残っていないか家族に確認してみよう。また、自分の家が本家の場合は、何か引き継がれている資料が残っているかもしれないし、倉庫や納戸の奥に人知れず保管されているケースもある。古い写真なども場所を探し出すヒントとなる。家族の中での調査を進めるうちに点がつながってくることもあるものだ。
こうして事前の確認ができたら、次はいよいよ図書館での調査だ。最初に行くのにおすすめなのが東京・港区にある「都立中央図書館」。もちろん地方の図書館や郷土資料館でわかることも多いが、ここは全国単位で郷土資料が充実している。先祖が全国に散らばっていても、1カ所で調べられるメリットがあるのだ。閲覧自由なので探しやすいのも特徴だが、そこでの成果は次回報告したい。
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